ブログ / 亜鉛 / 効果
亜鉛の効果とは?研究で分かっていること
亜鉛は免疫、代謝、生殖機能など多くの生理過程に関わる必須ミネラルです。男性不妊・精子形成と血糖では直接研究で支持が報告されています。風邪の治療・予防と体組成では、改善と非改善が混在しています。血圧は直接研究で支持されませんでした。創傷治癒、味覚障害、にきび、免疫、心理的ストレス、認知機能、筋力、神経管閉鎖障害の予防、骨の健康については、該当集団を直接評価した研究を今回確認できませんでした。
掲載内容は医療上の助言ではなく、病気の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
効果ごとの評価
評価の種類ごとに分類しています。「評価できない」は効果がないことを意味しません。
2候補で支持、2候補で混在、1候補は非支持、9候補は直接根拠が未確認です。
採用した研究で、改善方向の結果が報告された項目です。
男性不妊と精子形成における亜鉛の役割
精液量、精子形態、血清テストステロン濃度など、男性生殖機能を評価する指標の変化です。
研究で確認されたこと
亜鉛摂取量の低下に伴い精液量の減少と血清テストステロン濃度の低下が報告されました。
条件・注意点+−
若年男性11名の35日間の食事亜鉛量操作試験の結果です。
参考: PMID 1609752
血糖
空腹時血糖、HbA1c、インスリン抵抗性(HOMA-IR)など、血糖コントロールを示す指標の変化です。
摂取量ごとの効果
どの量でどの結果が確認されたかを示します。いずれも研究条件内で評価された量であり、推奨量ではありません。
25 mg/日未満(経口)
80〜92 mg/日(亜鉛酢酸トローチ)
確認された摂取期間
その期間で評価された結果であり、別の期間へそのまま一般化はできません。
効果が期待できる対象
候補ごとに研究対象と条件が異なるため、結果を他の対象へそのまま当てはめることはできません。
現時点で言えること・言えないこと
✓言えること
男性不妊と精子形成では亜鉛低下に伴う精液量・テストステロン低下が、血糖では空腹時血糖やHbA1cの低下が、直接研究で報告されています。
?まだ言えないこと
血圧は、直接研究で支持されませんでした。
創傷治癒、味覚障害、にきび、免疫、心理的ストレス、認知機能、筋力、神経管閉鎖障害の予防、骨の健康については、該当集団を直接評価した研究を今回確認できませんでした。
成分ページで詳しく確認
亜鉛の研究・安全性・関連成分を図鑑で見る
亜鉛図鑑で、研究されている領域と利用前に知っておきたいことを確認できます。
よくある質問
亜鉛は風邪に効きますか?+−
メタ解析では亜鉛補充により風邪症状の期間が約1.65日短縮されたと報告されています。Cochraneレビューでも期間の減少が確認され、高用量亜鉛酢酸トローチでは各症状の持続期間の短縮が示されました。一方、市販トローチの5日間試験では治療効果は確認されませんでした。
亜鉛は男性の不妊や精子に影響しますか?+−
若年男性の食事亜鉛量操作試験では、亜鉛摂取量の低下に伴い精液量の減少と血清テストステロン濃度の低下が報告されました。サプリメント補充の臨床効果を直接示すものではありません。
亜鉛は血糖を下げますか?+−
低用量(0.025 g/日未満)亜鉛補充のメタ解析では空腹時血糖の低下が報告されています。別のメタ解析でもHbA1c・HOMA-IRの低下が確認され、急性経口試験ではグルコース消費能の指標が増加しました。
亜鉛は血圧に影響しますか?+−
亜鉛補充のメタ解析では、空腹時血糖や脂質には低下効果が示された一方、収縮期・拡張期血圧に有意な変化は確認されませんでした。
参考にした論文9件
+−
CMAJ : Canadian Medical Association journal = journal de l'Association medicale canadienne / 2012
The Cochrane database of systematic reviews / 2013
BMC family practice / 2015