眼(ドライアイ・緑内障)
ドライアイに関する27件のランダム化比較試験を統合したメタ解析では、全身投与のオメガ3が症状スコアや涙液関連の指標を改善するように見えました。ただし、製剤(長鎖/短鎖、全身/局所)や乾性眼の原因によって結果が変わるとされています。ディスプレイ関連やコンタクトレンズ関連の乾性眼では改善が報告された一方、マイボーム腺の機能に関連するタイプやLASIK後の乾性眼では、意味のある改善は示されませんでした。局所(点眼)のオメガ3は人工涙液と比べて有意な利点は示されていません。
ドライアイ患者を対象にした多国籍の後ろ向き観察研究では、オメガ3を摂取していた群で緑内障の新規発生が少なかったと報告されています。ただし観察研究のため、因果関係は確定できません。
心血管
血液透析を受ける患者を対象にした系統的レビュー・メタ解析では、オメガ3補充で全死亡は変わらなかったものの、心血管死亡や心筋梗塞、血管アクセス関連イベントが少なかったという報告があります。ただし、著者らは「エビデンスが単一の大規模試験に集中している」と述べており、慎重な解釈が必要とされています。
一方、心血管リスクの高い患者を対象にした大規模なランダム化比較試験(STRENGTH試験)の二次解析では、オメガ3(ω-3カルボン酸)群でプラセボ群より心房細動の発症がやや多くみられたと報告されています。発症率はオメガ3群2.1%、プラセボ群1.2%、追跡期間は約3.5年でした。高齢・男性・高BMI・心不全の既往などが発症リスクとの関連因子とされました。
代謝症候群のある高齢者を対象にした5年間の追跡研究では、習慣的な食事からのオメガ3摂取量と、心房細動に関連する複数のバイオマーカーとの関連は全体としては認められませんでした。
歯周病
歯周炎の非外科的治療にオメガ3を含む天然物を併用した研究をまとめた系統的レビューでは、歯周ポケットや歯肉炎の指標が改善したという報告があります。ただし、オメガ3単独の解析結果ではなく、複数の天然物をまとめた評価であり、研究間のばらつきも大きいとされています。
脳の発達・ADHD
ADHDに関する神経画像研究を扱ったレビューでは、オメガ3を含む栄養要因が、脳の構造や機能、神経ネットワークと関連する可能性が示唆されています。ただし、含まれた研究は4件と少なく、結果は不均一とされています。
妊娠中のDHA摂取と乳児の神経発達については、母体のDHA状態は補充によって改善するものの、乳児の神経発達アウトカムへの有益性はエビデンスが一貫していないというレビューがあります。
関節(変形性膝関節症)
変形性膝関節症に関するナラティブレビューでは、オメガ3を含む栄養補助食品について、症状面の利益は「控えめ」で「ばらつき」があり、構造的な疾患修飾、つまり関節そのものの進行を変えることを一貫して支持する証拠はないとされています。運動を中心としたケアの補助として位置づけるべきだと結論づけられています。
摂取源による違い
思春期女性を対象にした調査では、魚、特に一部の魚種の摂取が多い群で、血中のオメガ3指標が高い傾向がみられました。魚の摂取量や種類、季節などが血中の状態に影響しうることが示されています。