ブログ / ナイアシン / 効果
ナイアシンの効果とは?研究で分かっていること
ナイアシン(ニコチン酸)はビタミンB3として知られる成分です。一般成人の直接根拠では、8週間の二重盲検試験で感覚記録と短期記憶の改善が支持されています。血糖と競技者の高強度運動パフォーマンスは研究ごとに結果が混在し、血圧は短期試験で改善は確認されませんでした。脂質低下・心血管病予防・ペラグラ治療・美白・体組成・心不全・免疫については、一般成人または該当対象を直接評価した研究を今回確認できませんでした。
掲載内容は医療上の助言ではなく、病気の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
効果ごとの評価
評価の種類ごとに分類しています。「評価できない」は効果がないことを意味しません。
11候補のうち認知機能のみ支持、血糖と高強度運動は混在、血圧は非支持、残り7候補は直接根拠が未確認です。
採用した研究で、改善方向の結果が報告された項目です。
認知機能
感覚記録、短期記憶、長期記憶など、認知機能を評価する指標の変化です。
研究で確認されたこと
35〜85歳の健康成人96名を対象とした8週間の二重盲検試験では、ニコチン酸0.142 g相当を1日3回投与した群で感覚記録と短期記憶がプラセボより改善しました。
条件・注意点+−
効果は若年・中年層でより顕著でした。
参考: PMID 3936095
改善を示す研究と、明確な変化を示さない研究があり、結論は一致していません。
摂取量ごとの効果
どの量でどの結果が確認されたかを示します。いずれも研究条件内で評価された量であり、推奨量ではありません。
142 mg × 3回/日(合計約430 mg/日)
500 mg/日 → 1,000 mg/日
24時間平均血圧に有意差はなく、グルコース注入速度は低下した(インスリン感受性低下)
健康な成人7名の14日間クロスオーバー試験で、最初7日間0.5 g/日、続く7日間1 g/日です。
参考: PMID 10980588
確認された摂取期間
その期間で評価された結果であり、別の期間へそのまま一般化はできません。
効果が期待できる対象
候補ごとに研究対象と条件が異なるため、結果を他の対象へそのまま当てはめることはできません。
一般成人
35〜85歳の健康成人96名の8週間試験では、ニコチン酸投与群で感覚記録と短期記憶が改善しました。健康な成人7名の14日間試験では血圧に有意差はなく、インスリン感受性は低下しました。
参考: PMID 3936095
現時点で言えること・言えないこと
✓言えること
35〜85歳の健康成人96名の8週間試験では、ニコチン酸0.142 g相当を1日3回投与した群で感覚記録と短期記憶がプラセボより改善しました。
?まだ言えないこと
健康成人の14日間試験では空腹時血糖は変化せずインスリン感受性は低下しましたが、2型糖尿病のネットワークメタ解析では脂質改善と血糖指標の混在が報告されています。
競技者の120分サイクリングでは完走時間が有意に延長する一方、60・90分課題では差がありませんでした。FFA抑制条件では高強度運動のパフォーマンス時間が延長しました。
健康成人7名の14日間試験では、24時間平均の収縮期・拡張期血圧に有意な変化はみられませんでした。
脂質低下、心血管病予防、ペラグラの予防・治療、皮膚バリア・美白、体組成、心不全・心機能、免疫については、一般成人または該当対象を直接評価した研究を今回確認できませんでした。
成分ページで詳しく確認
ナイアシンの研究・安全性・関連成分を図鑑で見る
ナイアシン図鑑で、研究されている領域と利用前に知っておきたいことを確認できます。
よくある質問
ナイアシンは認知機能を改善しますか?+−
35〜85歳の健康成人96名の8週間二重盲検試験では、ニコチン酸0.142 g相当を1日3回投与した群で感覚記録と短期記憶がプラセボより改善しました。効果は若年・中年層でより顕著でした。
ナイアシンは血圧を下げますか?+−
健康な成人7名の14日間試験では、0.5 g/日7日間の後1 g/日7日間のニコチン酸投与後も、24時間平均の収縮期・拡張期血圧に有意な変化はみられませんでした。
ナイアシンは血糖に影響しますか?+−
健康成人の14日間試験では空腹時血糖・インスリンは変化せず、グルコース注入速度は低下しました。2型糖尿病のネットワークメタ解析では、ナイアシンはトリグリセリド低下とHDL上昇で上位にランクされましたが、血糖コントロールの効果は混在していました。
ナイアシンは運動パフォーマンスを上げますか?+−
訓練済みサイクリストの120分タイムトライアルでは、ニコチン酸摂取で完走時間が有意に延長しました(123.1分対120.1分)。60分・90分の課題には群間差はみられませんでした。別試験ではFFA上昇を抑制すると高強度運動のパフォーマンス時間が延長しました。
参考にした論文5件
+−
Effects of nicotinic acid on insulin sensitivity and blood pressure in healthy subjects.
Journal of human hypertension / 2000
Carbohydrate dependence during prolonged simulated cycling time trials.
European journal of applied physiology / 2016