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L-カルニチンの副作用・安全性|報告症状、用量、注意が必要な人
副作用をひとことで
悪心・嘔吐・腹部けいれん・下痢
健康な一般成人が経口サプリメントとしてL-カルニチンを摂る場合、NIH ODSは耐容上限量(UL)を設定していない一方、おおよそ3 g/日程度では悪心・嘔吐・腹部けいれん・下痢・体臭の魚臭さが起こり得ると記載しています。認知機能正常成人のCochraneレビューでは、少数の有害事象があり重篤なものはなかったと報告されています。慢性サプリメント摂取では2 g/日L-カルニチン当量まで安全性の根拠が強いとOSL評価で同定されています。
判断の根拠+−
経口サプリメントでおおよそ3 g/日程度では消化器症状や体臭変化が報告され得ます。慢性2 g/日までのOSL評価、頻度・重篤シグナルは下記各節に整理しています。
副作用は報告されているか
悪心・嘔吐
腹部けいれん
下痢
魚臭い体臭
頭痛
顔面のしびれ
報告されている症状・変化:一般成人の経口サプリメントでは、NIH ODSが高用量で消化器症状と体臭変化を記載しています。
副作用の発生頻度:健康な一般成人が経口サプリメントとして常用する場合の副作用発生頻度は、今回の根拠からは確立していません。
重篤な有害事象・症例シグナル:健康な一般成人の経口サプリメント過量に由来する強い重篤シグナルは乏しく、症例シグナル群はカルニチン欠乏症・脂肪酸酸化異常・VPA過量治療など別文脈が大半です。
研究条件・件数・詳しい根拠+−
報告されている症状・変化+−
摂取量ごとの安全性
一般成人の研究用量
2 g/日
OSLリスク評価法により慢性2 g/日まで忍容性の根拠が強く、この量が観察された安全レベル(OSL)として同定された+−
期間
慢性サプリメント摂取
摂り方
口から摂取
(詳細:L-カルニチン当量の経口サプリメント)
研究での詳しい報告
一般成人(OSLリスク評価の対象集団)。OSLリスク評価法により慢性2 g/日まで忍容性の根拠が強く、この量が観察された安全レベル(OSL)として同定された。規制上のULや「安全上限」とは別の評価手法である。
参考: PMID:16901595
限定集団の研究用量
1.5 g/日超
プラセボ比較試験で、ALC 1.5 g/日超群の147人中6人(4.1%)が頭痛・顔面しびれ・消化器障害などの有害事象で治療中止し、プラセボ群147人中2人(1.4%)だった(P=0.17)と報告された+−
期間
6〜12か月の試験期間(メタ分析に含まれる試験)
摂り方
摂取期間による違い
慢性サプリメント摂取
慢性サプリメント摂取:2 g/日L-カルニチン当量まで安全性の根拠が強いとOSL評価で同定された(16901595・一般成人直接根拠)。
慢性サプリメント摂取
慢性サプリメント摂取:2 g/日超では長期安全性を自信を持って結論づけるデータは不十分と評価された(16901595)。
観察期間3
糖尿病性末梢神経痛:24週間のALC投与で機能障害スコアの変化は報告されたが、有害事象の詳細は別試験に依存する文脈根拠(31201734)。
観察期間4
サラセミア小児:50 mg/kg/日の経口L-カルニチンを6か月間投与した試験が実施された(17031691・小児文脈根拠)。
注意が必要な人
尿毒症の人+−
高用量サプリメントで筋力低下が起こり得る(NIH ODS)。
てんかん性疾患の人+−
サプリメントでけいれんが起こり得る(NIH ODS)。
ピバリン酸結合抗生物質(ピバンピシリン等)の長期使用+−
カルニチン枯渇につながる相互作用。枯渇による疾患例はこの集団では報告されていない(NIH ODS)。
抗てんかん薬(バルプロ酸、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン)+−
血中カルニチン低下。VPAは肝毒性・高アンモニア血症・脳症を起こし得て、急性過量時にも起こり得る。VPA毒性に対するIV L-カルニチン治療は経口サプリメントの注意点とは別文脈(NIH ODS)。
定期的に薬を服用している人+−
分かっていること・まだ分からないこと
分かっていること
NIH ODS:UL未設定。高用量サプリメントで消化器症状や体臭変化が起こり得る。
認知機能正常成人:試験報告で少数の有害事象、重篤なし(症状詳細なし)。
慢性2 g/日:OSL評価で安全性根拠が強いと同定。2 g/日超の長期データは不十分。
TMAO形成とCVDリスク:研究上の意義は未確定(NIH ODS)。
症例シグナル群:欠乏症・VPA治療など別文脈が大半で、サプリメント過量毒性の頻度は示されない。
まだ分からないこと
健康な一般成人がサプリメントとして常用した場合の副作用発生頻度。
経口サプリメント過量に由来する重篤有害事象の症例シグナルとしての頻度・因果。
TMAO形成と心血管疾患リスクの臨床意義。
全ての人に共通する規制上の耐容上限量または危険量。
成分図鑑で詳しく確認
L-カルニチンの研究・安全性・関連成分を図鑑で見る
L-カルニチン図鑑で、研究されている領域と利用前に知っておきたいことを確認できます。
よくある質問
L-カルニチンでどのような副作用が報告されていますか?
一般成人の経口サプリメントでは、NIH ODSがおおよそ3 g/日程度で悪心・嘔吐・腹部けいれん・下痢・体臭の魚臭さを記載しています。認知機能正常成人のレビューでは、症状詳細なしの少数有害事象(重篤なし)が報告されています。
1日にどのくらいまで安全ですか?
耐容上限量はNIH ODSでは確立されていません。OSL評価では慢性2 g/日L-カルニチン当量まで安全性の根拠が強いとされていますが、これは観察された安全レベルのリスク評価であり、規制ULや推奨量ではありません。2 g/日超の長期データは不十分と評価されています。
副作用はどのくらいの頻度で起こりますか?
健康な一般成人の経口サプリメント常用に共通する発生頻度は、今回の根拠からは確立していません。末梢神経痛治療のALC試験では1.5 g/日超で中止率4.1%対1.4%の条件特異的報告がありますが、一般成人常用の頻度ではありません。
重篤な副作用の報告はありますか?
健康な一般成人の経口サプリメント過量に由来する強い重篤シグナルは乏しいです。症例シグナル群はカルニチン欠乏症・VPA過量治療など別文脈が大半で、発生率や因果は推定できません。
参考にした論文15件+−
- 1.Role of carnitine and fatty acid oxidation and its defects in infantile epilepsy.
- 2.Risk assessment for carnitine.
- 3.Effect of L-carnitine on the physical fitness of thalassemic patients.
- 4.Carnitine for fatigue in multiple sclerosis.
- 5.Acetyl-L-carnitine in the treatment of peripheral neuropathic pain: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
- 6.L-carnitine for cognitive enhancement in people without cognitive impairment.
- 7.Acetyl-L-carnitine for the treatment of diabetic peripheral neuropathy.
- 8.Ventricular Fibrillation Caused by Primary Carnitine Deficiency.