市販後の自発報告では、複数の有害反応が確認されている
EudraVigilanceの自発的個別症例報告を解析した研究では、L-カルニチンに関する報告が257件確認されました。報告が多かった分類は、消化器障害、皮膚・皮下組織障害、全身状態や投与部位に関する障害、神経系障害でした。
ただし、この研究は「報告された症例」を分析したものです。L-カルニチンを使った人全体の何%に起きたか、L-カルニチンが原因だったか、摂取量や期間でどう変わるかは分かりません。報告のされやすさ、併存症、併用薬などの影響も受けます。
レビューでは、過剰曝露を避ける必要が論じられている
男性不妊の文脈で抗酸化アミンを整理したレビューでは、カルニチンを含む成分について、補充の可能性と同時に、過剰曝露による有害影響を避けるためバランスの取れた投与が必要と論じています。
一方、このレビューの要旨からは、L-カルニチン単独でどの副作用が何件起こるのか、どの量からリスクが増えるのかまでは確認できません。
健康成人の研究では、TMAO反応が評価されている
健康成人34人を対象に、L-カルニチン1.5gを経口負荷し、血中TMAOの変化を調べた研究があります。高TMAO産生者を選んだ後の試験では、ザクロ抽出物を同時に使っても、全体としてTMAOの総反応量は低下しませんでした。
この研究が見ているのは、特定条件での代謝物の反応です。TMAOが変化したことを、そのまま副作用や病気の発症と読み替えることはできません。
透析患者の研究は、一般成人の安全性とは分けて考える
血液透析患者を対象にした16試験・699人のメタ解析では、L-カルニチンは体重や脂質などの指標に全体として明確な効果を示しませんでした。一部のサブグループで変化が示唆されましたが、仮説生成的な結果で確認が必要とされています。
この研究は透析患者の治療・栄養の文脈で行われたもので、健康な人がL-カルニチンを飲んだときの副作用や安全量を判断する研究ではありません。