ブログ / 安全性・副作用チェック
グリシンの副作用・安全性|報告された症状、摂取量と注意点
副作用をひとことで
悪心・下痢・便秘
健康な一般成人が市販の経口グリシンサプリメントを常用した場合の副作用症状リストは、今回の根拠ではほとんど直接示されていません。静脈内100〜200 mg/kgでは毒性は関連づけられず(10704956)と報告されていますが、これは静脈内投与の結果であり経口サプリの安全性証明にはなりません。統合失調症への0.8 g/kg/日併用(14732596)や筋クリーゼ治療試験(0.6〜6 g/日、3057352)では忍容性の評価がありますが、いずれも疾患・治療文脈です。
判断の根拠+−
静脈内100〜200 mg/kgでは毒性は関連づけられず、行動・認知・驚愕反応にも有意な変化は報告されていない(経口サプリへの外挿不可)。グルタミン試験のプラセボ(グリシン)対照では悪心・下痢・便秘が両群で同程度にみられた。経口サプリ常用の症状一覧は薄く、トリメチルグリシン(ベタイン)・グリシン酸塩は別成分です。
副作用は報告されているか
悪心
下痢
便秘
報告されている症状・変化:一般成人向けの経口サプリ症状リストは薄い。
副作用の発生頻度:一般成人の経口グリシンサプリ常用時の発生頻度は、分母のある比較研究から示せません。
重篤な有害事象・症例シグナル:一般成人向け経口グリシンサプリの重篤有害事象を直接示す根拠はありません。
研究条件・件数・詳しい根拠+−
報告されている症状・変化+−
一般成人向けの経口サプリ症状リストは薄い。静脈内試験の安全性評価と、疾患群・プラセボ比較・非経口製剤の文脈根拠を条件付きで列挙します。
摂取量ごとの安全性
限定集団の研究用量
100 mg/kg・200 mg/kg
静脈内100〜200 mg/kgの二重盲検試験で毒性は関連づけられず、有害事象の報告はなかった+−
期間
4日間のテストデイ(単回投与評価)
摂り方
注射・点滴
(詳細:静脈内グリシン(生理食塩水対照含む二重盲検))
研究での詳しい報告
健康な一般成人。静脈内100〜200 mg/kgの二重盲検試験で毒性は関連づけられず、有害事象の報告はなかった。詳細は「報告されている副作用・変化」節を参照。
参考: PMID:10704956
0.6 g/日〜6 g/日
グリシンに関連する有害事象は報告されず、当該用量ではCSFグリシン濃度の上昇もみられなかった+−
期間
各用量で少なくとも6週間維持
摂り方
口から摂取
(詳細:経口グリシン(単剤))
研究での詳しい報告
摂取期間による違い
一般成人の経口サプリ長期常用
健康な一般成人が経口グリシンサプリを長期常用した場合の安全性を直接示す根拠は、今回の入力では確立されていない。
観察期間2
統合失調症への0.8 g/kg/日・6週間併用(14732596)、筋クリーゼへの0.6〜6 g/日・各6週間以上(3057352)、精神症リスクへの0.8 g/kg/日・8〜12週間(23089076)は、いずれも疾患・治療文脈の短期〜中期評価である。
観察期間3
小児HSCTではグリシン対照群とグルタミン群で毒性に統計的有意差はなかった(16086046)。環境性腸症リスクの小児ではアラニル-グルタミン対グリシンプラセボの10日間試験が実施された(32826717)。
観察期間4
歯科エアーポリッシュ用グリシンパウダーでは長期評価の必要性が述べられているが(38345462)、経口サプリの長期安全性ではない。
注意が必要な人
統合失調症(抗精神病薬併用)+−
0.8 g/kg/日の6週間併用で忍容性が良好と報告された(14732596・一般成人直接根拠)。
小児HSCT+−
グルタミン対グリシン(対照)で毒性に統計的有意差はなかった(16086046・小児直接根拠)。グリシンは比較対照として用いられた。
環境性腸症リスクの小児(2〜60か月)+−
アラニル-グルタミン対グリシンプラセボ12.5 g/日・10日間の用量反応試験が実施された(32826717・小児直接根拠)。
精神症リスク症候群+−
0.8 g/kg/日まで漸増した経口グリシンで安全性上の懸念は同定されなかった(23089076・文脈根拠)。
重度熱傷・外傷患者(グルタミン試験のプラセボ群)+−
分かっていること・まだ分からないこと
分かっていること
静脈内100〜200 mg/kgの一般成人試験:「副作用・安全性の要点」節を参照(経口外挿不可)。
限定集団(統合失調症・筋クリーゼ・小児HSCT・環境性腸症リスク)では数週間の経口投与で忍容性が評価されている(疾患・治療文脈)。詳細は報告節・摂取量節。
グルタミン試験のプラセボ(グリシン)対照では、軽度消化器症状が両群で同程度だった(15447818)。
まだ分からないこと
健康な一般成人が市販経口グリシンサプリを常用した場合の具体的な副作用症状の一覧。
一般成人における経口サプリ常用時の副作用発生頻度。
一般成人における経口サプリ長期常用の安全性。
全ての人に共通する危険量または公的安全上限。
経口グリシンサプリメントによる重篤有害事象の症例シグナルとしての頻度・因果関係。
成分図鑑で詳しく確認
グリシンの研究・安全性・関連成分を図鑑で見る
グリシン図鑑で、研究されている領域と利用前に知っておきたいことを確認できます。
よくある質問
グリシンサプリに副作用はありますか?
健康な一般成人向け市販経口グリシンサプリの副作用症状について、症状名ごとの直接報告は今回の根拠ではほとんどありません。報告が乏しいことを「副作用がない」と解釈することはできません。限定集団での忍容性評価は「報告されている副作用・変化」節、静脈内試験は「副作用・安全性の要点」節を参照してください。
トリメチルグリシン(ベタイン)やグリシン酸塩の安全性はグリシンと同じですか?
同じではありません。トリメチルグリシン(ベタイン)は別のメチル化アミノ酸誘導体、グリシン酸塩(glycinate)はグリシンと金属などを結合した塩です。名称にglycineが含まれても、食品由来グリシン(グリシン)サプリメントの副作用・注意点として読み替えてはいけません。
どのくらいまで摂れば安全ですか?
健康な一般成人の経口サプリ常用に共通する危険量や公的安全上限は、今回の根拠からは確立していません。試験で評価された0.6〜6 g/日(筋クリーゼ)や0.8 g/kg/日(統合失調症併用)は、それぞれ疾患・治療文脈の観察量であり、推奨量や安全上限ではありません。
参考にした論文10件+−
- 1.IV glycine and oral D-cycloserine effects on plasma and CSF amino acids in healthy humans.
- 2.High-dose glycine added to olanzapine and risperidone for the treatment of schizophrenia.
- 3.[Analysis of the therapeutic effect and the safety of glutamine granules per os in patients with severe burns and trauma].
- 4.A double-blind randomized placebo-controlled study of oral glutamine in the prevention of mucositis in children undergoing hematopoietic stem cell transplantation: a pediatric blood and marrow transplant consortium study.
- 5.Intrathecal glycine for pain and dystonia in complex regional pain syndrome.
- 6.Glycine treatment of the risk syndrome for psychosis: report of two pilot studies.
- 7.Therapeutic trial with glycine in myoclonus.