ブログ / 安全性・副作用チェック
グルタミンの副作用・安全性|肝毒性・腎障害の症例、用量と注意点
副作用をひとことで
悪心・下痢・便秘
グルタミンパウダー摂取後の肝毒性、L-グルタミン18 g/日による急性腎障害(尿細管障害)、集中治療室(ICU)での静脈内+経管投与時の28日死亡率上昇傾向が報告・観察されています。いずれも市販サプリの常用プロファイルとは条件が異なります。
判断の根拠+−
肝毒性・急性腎障害の症例報告、ICU処方文脈での死亡率上昇傾向が確認できる一方、健康な一般成人が市販経口サプリを常用した場合の症状別直接報告は今回の根拠ではほとんどない。報告が乏しいことを「副作用がない」「安全」と解釈することはできない。危険量・公的安全上限は未確立。
副作用は報告されているか
悪心
下痢
便秘
報告されている症状・変化:市販経口サプリ常用の症状リストは直接根拠が乏しい。
副作用の発生頻度:健康な一般成人が市販経口サプリを常用した場合の一律の発生率は、分母のある比較研究から示せない。
重篤な有害事象・症例シグナル:肝毒性・急性腎障害の症例報告がある。
研究条件・件数・詳しい根拠+−
報告されている症状・変化+−
市販経口サプリ常用の症状リストは直接根拠が乏しい。重症熱傷・高齢者・IBS・ICU処方など限定条件の観察を症状名ごとに列挙する。
副作用の発生頻度+−
健康な一般成人が市販経口サプリを常用した場合の一律の発生率は、分母のある比較研究から示せない。
重篤な有害事象・症例シグナル+−
摂取量ごとの安全性
一般成人の研究用量
30 g/日
粘膜炎・口内炎の重症度と腸管透過性の評価が主目的+−
期間
化学療法前後計15日間(少なくとも化学療法3日前から開始)
摂り方
口から摂取
(詳細:経口グルタミンサプリメント(OGS))
研究での詳しい報告
進行・転移がんの成人(5-FU/LV化学療法・一般成人向け直接根拠)。粘膜炎・口内炎の重症度と腸管透過性の評価が主目的。グルタミン起因の有害事象の増加は報告されておらず、OGS群でgrade 2〜4粘膜炎がBSC群より少なかった。
参考: PMID:16949180
5 gを1日3回(計15 g/日)
有害事象・中止率は低く両群同程度で、重篤な有害事象の観察はなかった+−
期間
8週間
摂り方
口から摂取
(詳細:経口グルタミン)
研究での詳しい報告
摂取期間による違い
観察期間1
健康な一般成人が市販経口グルタミンを長期常用した場合の安全性を直接示す根拠は、今回の入力では確立されていない。
在宅静脈栄養6か月の経静脈グルタミン
在宅中心静脈栄養(HPN)患者では、6か月間の静脈栄養へのグルタミン添加で有害事象は報告されなかった(疾患・静脈栄養の文脈)。
高齢者の60日経口試験
高齢者への経口12.4 g/日・60日間では有害事象の報告はなかった。
健康アスリートの短期・長期経口試験
アスリートへの0.1 g/kgを1日4回・2週間では有意な有害事象は関連づけられなかった(レビュー記述)。
観察期間5
新生児・小児への経管グルタミン補充の長期フォローアップ(13歳時点)では、運動・認知・行動転帰に有益・有害いずれのエビデンスもなかった。
注意が必要な人
腎機能低下の高齢者+−
18 g/日経口L-グルタミンで尿細管障害を伴う急性腎障害の症例があり、腎機能がすでに低下している高齢者では慎重な使用が勧められている(41021436)。
がん治療中の小児・若年者+−
最も有効で安全な栄養支援形態は不明とされ、市販サプリの自己判断での補充は根拠上の限界がある(26301790)。
鎌状赤血球症(SCD)の小児+−
経口L-グルタミンの安全性・有効性がRCTで評価されている。市販サプリと読み替えず、医療者管理下での判断が必要(39028356)。
糖尿病性腎症を伴うアスリート+−
グルタミン補充のレビューでは、腎疾患文脈で糸球体硬化症・血清クレアチニン上昇の記述があり、腎機能に問題がある場合は注意が必要(30341034)。
健康な一般成人の市販経口サプリ+−
分かっていること・まだ分からないこと
分かっていること
グルタミンパウダー摂取後の肝毒性、18 g/日経口での急性腎障害の症例報告がある(頻度・因果は不明)。
ICU・多臓器不全成人への静脈内+経管早期投与で死亡率上昇が報告された(市販サプリとは別文脈)。
がん化学療法時30 g/日経口の試験、IBS-D・高齢者・アスリートなど限定条件で忍容性が評価されている。
まだ分からないこと
健康な一般成人が市販経口サプリを常用した場合の症状別副作用リストと発生頻度。
市販経口サプリ常用における公的安全上限・危険量。
市販経口サプリの長期常用(数か月超)の安全性。
成分図鑑で詳しく確認
グルタミンの研究・安全性・関連成分を図鑑で見る
グルタミン図鑑で、研究されている領域と利用前に知っておきたいことを確認できます。
よくある質問
グルタミンサプリに副作用はありますか?
パウダー約3週間摂取後の肝毒性、18 g/日経口での急性腎障害の症例報告があります。健康な一般成人の市販経口常用については「副作用・安全性の要点」「報告されている副作用・変化」を参照してください。
どのくらいまで摂れば安全ですか?
市販経口サプリ常用に共通する危険量や公的安全上限は確立していません。がん化学療法時30 g/日の試験やアスリート・高齢者試験の用量は、それぞれ治療・限定集団の観察量であり、推奨量や安全上限ではありません。
HMBやアルギニンと一緒の製品の安全性は同じですか?
同じではありません。HMB+アルギニン+グルタミンの複合栄養では、各成分単独の有害事象として帰属できません。複合製剤試験の結果をグルタミン単独の安全性と読み替えてはいけません。
長く飲み続けても安全ですか?
健康な一般成人の市販経口サプリ長期常用の安全性は、今回の根拠からは確立していません。高齢者60日・HPN 6か月・アスリート2週間など、対象と経路が異なる限定試験の結果を長期常用の安全性と同一視できません。
参考にした論文22件+−
- 1.Oral glutamine in paediatric oncology patients: a dose finding study.
- 2.[Analysis of the therapeutic effect and the safety of glutamine granules per os in patients with severe burns and trauma].
- 3.The effect of oral glutamine on 5-fluorouracil/leucovorin-induced mucositis/stomatitis assessed by intestinal permeability test.
- 4.Randomized, placebo-controlled trial of Saforis for prevention and treatment of oral mucositis in breast cancer patients receiving anthracycline-based chemotherapy.
- 5.A double-blind, randomized, controlled crossover trial of glutamine supplementation in home parenteral nutrition.
- 6.Parenteral glutamine supplementation has no effect on chemotherapy-induced toxicity in children with non-Hodgkin lymphoma.
- 7.A randomized trial of glutamine and antioxidants in critically ill patients.