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葉酸の効果とは?研究で分かっていること
葉酸について14件の効果候補を確認したところ、健康な過体重者や健康な女性ではホモシステイン低下とインスリン感受性の改善、男性不妊のある人では精子運動性に関する改善が報告されています。一方、透析中の末期腎疾患患者では、ホモシステインが低下しても心血管イベントは減りませんでした。神経管閉鎖障害の予防、貧血、妊活・妊娠、うつ病、認知機能、体組成、血圧、免疫、高強度運動については、今回の候補で定められた対象を直接評価した根拠を確認できませんでした。
掲載内容は医療上の助言ではなく、病気の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
効果ごとの評価
評価の種類ごとに分類しています。「評価できない」は効果がないことを意味しません。
3候補で支持、1候補では直接評価で支持されず、10候補は直接根拠を確認できませんでした。
採用した研究で、改善方向の結果が報告された項目です。
ホモシステイン低下と心血管リスク
血液中のホモシステイン濃度と、心血管疾患に関連して評価される状態の変化です。
研究で確認されたこと
健康な女性や健康な過体重者では、血中ホモシステインの低下が報告されました。
条件・注意点+−
36〜71歳の人を対象とした試験では437μg/日の葉酸で21%低下し、健康な女性で250または500μg/日を4週間用いた試験でも低下が示されましたが、心血管イベントの減少を示す結果ではありません。
参考: PMID 10837284 / PMID 16491109 / PMID 9925130
摂取量ごとの効果
どの量でどの結果が確認されたかを示します。いずれも研究条件内で評価された量であり、推奨量ではありません。
250〜500μg/日
健康な18〜40歳女性で、4週間後の血漿総ホモシステイン低下が報告されました。
通常の食事に追加して用いた条件です。250μg/日は隔日500μg投与として設定されました。
参考: PMID 9925130
5 mg/日
精液所見に異常のある不妊男性で、3か月後に葉酸単独では精子DNAの断裂関連指標の低下、タモキシフェン併用では精子濃度と精子運動性の増加が報告されました。
単独とタモキシフェン20mg/日との併用を含む試験条件で、効果を一般化する用量ではありません。
参考: PMID 26817175
確認された摂取期間
その期間で評価された結果であり、別の期間へそのまま一般化はできません。
現時点で言えること・言えないこと
✓言えること
健康な女性や健康な過体重者で、血中ホモシステインの低下が報告されています。
健康な過体重者で、インスリン感受性の改善が報告されています。
精液所見に異常のある不妊男性で、精子運動性などの一部指標の改善が報告されています。
透析中の末期腎疾患患者では、ホモシステイン低下にもかかわらず心血管イベントの発生差は確認されませんでした。
?まだ言えないこと
神経管閉鎖障害の予防、貧血改善(巨赤芽球性貧血)、妊活・妊娠中の効果、うつ病、認知機能、体組成、血圧、免疫、高強度運動のパフォーマンスでは、今回定められた対象を直接評価した根拠を確認できませんでした。
直接根拠を確認できない候補は、効果がないと判断したものではなく、今回の根拠範囲では効果の有無を判断できない状態です。
成分ページで詳しく確認
葉酸の研究・安全性・関連成分を図鑑で見る
folate図鑑で、研究されている領域と利用前に知っておきたいことを確認できます。
よくある質問
葉酸は心血管リスクを下げますか?+−
健康な女性や健康な過体重者ではホモシステイン低下が報告されていますが、透析中の末期腎疾患患者では、ホモシステインが低下しても心血管イベントの発生差は確認されませんでした。ホモシステインの変化だけから心血管リスクの低下を判断することはできません。
葉酸は血糖に役立ちますか?+−
正常な耐糖能を持つ健康な過体重者を対象とした12週間の試験では、インスリン感受性の改善が報告されました。血糖異常のある人を含む幅広い対象に同じ結果が当てはまるかは、この直接根拠だけでは分かりません。
葉酸は男性の生殖機能に役立ちますか?+−
精液所見に異常のある不妊男性を対象とした試験では、一部の精子指標や精子DNAの断裂関連指標の変化が報告されました。メタ解析では葉酸単独で精子運動性の改善が示された一方、精子濃度や形態には有意な変化が示されませんでした。
参考にした論文6件
+−
Dietary strategies for lowering homocysteine concentrations.
The American journal of clinical nutrition / 2000
International journal of obesity (2005) / 2006
The American journal of clinical nutrition / 1999