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カルシウムの効果とは?研究で分かっていること
血圧では、複数試験のまとめで収縮期血圧の小幅な低下が示唆され、健康な男性を対象にした試験では立位収縮期血圧の低下が報告されています。筋力では、レジスタンストレーニングを行った女性を対象に、ベンチプレスの前後差が補給群で大きかった一方、終了時点の群間差や時間×群の交互作用は有意ではありませんでした。骨密度・骨の健康、体組成、睡眠、疲労感、免疫、心理的ストレス、高強度運動のパフォーマンスは、今回の範囲で直接評価した根拠を確認できませんでした。
掲載内容は医療上の助言ではなく、病気の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
効果ごとの評価
評価の種類ごとに分類しています。「評価できない」は効果がないことを意味しません。
10件の候補のうち2件で支持。血圧は収縮期への小幅な低下報告、筋力はレジスタンストレーニングを行った女性での前後差の差が報告されましたが、群間差は確認されませんでした。
採用した研究で、改善方向の結果が報告された項目です。
筋力
筋肉が一度に発揮できる最大の力や、重りを持ち上げる能力を指します。
研究で確認されたこと
レジスタンストレーニングを行った女性31人では、9週間の非晶質炭酸カルシウム(1000 mg/日)補給後、ベンチプレス1回最大挙上重量の前後差(Δ1-RM)は補給群でプラセボ群より大きく報告されました。
条件・注意点+−
一方、試験終了時点の群間差や時間×群の交互作用は有意ではなく、バックスクワットでも群間差は報告されていません。体組成や質問票の結果にも群間差はありませんでした。
参考: PMID 36771244
血圧
血液が血管を流れるときに血管の壁へかかる圧力を示す指標です。
摂取量ごとの効果
どの量でどの結果が確認されたかを示します。いずれも研究条件内で評価された量であり、推奨量ではありません。
1,000 mg/日
9週間のレジスタンストレーニング中、ベンチプレス1-RMの前後差は補給群で大きかった一方、終了時点の群間差は有意ではありませんでした。
レジスタンストレーニングを行った女性31人を対象に、非晶質炭酸カルシウムを単独で補給した研究です。
参考: PMID 36771244
2,000 mg/日
16週間後、健康な男性の立位収縮期血圧はプラセボ群と比べて低下しました。
元素カルシウムを朝夕各1000 mg、単独で補給した32人の研究です。仰臥位の血圧には群間差がありませんでした。
参考: PMID 8557965
確認された摂取期間
その期間で評価された結果であり、別の期間へそのまま一般化はできません。
効果が期待できる対象
候補ごとに研究対象と条件が異なるため、結果を他の対象へそのまま当てはめることはできません。
レジスタンストレーニングを行った女性(筋力候補=運動する人・競技者)
31人を対象とした9週間の研究で、ベンチプレス1回最大挙上重量の前後差を評価しました。筋力候補は運動する人・競技者向けに整理されていますが、直接根拠はこの特定の対象・介入条件に限られます。
参考:
現時点で言えること・言えないこと
✓言えること
複数試験のまとめでは、カルシウム補給後の収縮期血圧が平均約1.8 mmHg低下したと推定され、拡張期血圧への効果はみられませんでした。健康な男性では2000 mg/日の元素カルシウムを16週間補給した試験で立位収縮期血圧の低下が報告されましたが、仰臥位の血圧には群間差がありませんでした。
レジスタンストレーニングを行った女性では、1000 mg/日の非晶質炭酸カルシウムを9週間補給した試験でベンチプレス1-RMの前後差が補給群で大きかった一方、終了時点の群間差や時間×群の交互作用は有意ではありませんでした。
?まだ言えないこと
高強度運動のパフォーマンス、体組成、日常的な疲労感、睡眠、免疫、心理的ストレスは、今回の範囲では直接根拠を確認できませんでした。これは効果がないことを意味しません。
骨の健康、および骨密度と骨粗鬆症予防も、一般成人への結論に使える直接根拠は今回確認できませんでした。
成分ページで詳しく確認
カルシウムの研究・安全性・関連成分を図鑑で見る
カルシウム図鑑で、研究されている領域と利用前に知っておきたいことを確認できます。
よくある質問
カルシウムで血圧は下がりますか?+−
複数試験のまとめでは収縮期血圧が平均約1.8 mmHg低下したと推定され、拡張期血圧への効果はみられませんでした。健康な男性を対象にした16週間の試験では立位収縮期血圧の低下が報告されましたが、仰臥位の血圧には群間差があり、すべての人や指標に同じ結果が示されたわけではありません。
カルシウムで筋力は上がりますか?+−
レジスタンストレーニングを行った女性では、9週間の非晶質炭酸カルシウム補給後にベンチプレス1-RMの前後差が補給群で大きかった一方、終了時点の群間差や時間×群の交互作用は有意ではありませんでした。トレーニングを行う女性に限られた小規模な研究です。
カルシウムは骨の健康に役立ちますか?+−
一般成人の骨代謝指標、骨密度、骨粗鬆症予防を直接評価した根拠は、今回の範囲では確認できませんでした。このことだけで、骨への効果がないと結論づけることはできません。
参考にした論文3件
+−
Calcium and blood pressure. An epidemiologic perspective.
American journal of hypertension / 1990
Dietary calcium, blood pressure and cell membrane cation transport systems in males.
Journal of hypertension / 1995